大きな機械を導入する前に必要な電気工事とは|動力電源・容量の基礎知識 

工場や事業所に新しい機械(コンプレッサー、工作機械、業務用エアコンなど)の導入を予定されている設備担当者や経営者の皆様へ。

機械を導入する際に見落としがちなのが「電気工事の準備」です。本記事では、動力電源(三相200V)の基礎知識、工事の内容と費用相場、必要な容量の確認方法、そして電力会社への申請期間まで、プラント電気工事のプロフェッショナルが実例をもとに分かりやすく解説します。 

LICENSED CONTRACTOR 福岡県知事許可(一般)
電気工事業 第98211号
TRUST & TRACK RECORD 創業24年
福岡の電気インフラを支える実績
ENGINEERING CAPABILITY 容量解析からEMS提案まで
対応する総合エンジニアリング力
3つのケース 
  • 動力を新たに引き込むケース:これまで施設内で三相200V(動力)を使用していない、または設置場所まで動力線が来ていない場合、電柱から新たに動力線を引き込む必要があります。
  • 容量を増やすケース:既存の動力電源や受電容量では、新しく導入する機械の電力消費に耐えられない場合、契約容量の変更や分電盤の改修が必要になります
  • 配線だけを追加するケース:すでに十分な動力容量と空きブレーカーがある場合でも、機械の設置場所まで専用の動力配線やコンセントを新設する工事が必要です 。 

【判断のポイント】
自社がどのケースに該当するかは、既存の「分電盤(ブレーカーの状況)」や「電気料金の検針票(明細)」を確認することで判断できます 。
明細に「低圧電力」や「動力」の項目があるか、分電盤に三相200V用のブレーカーの空きがあるかを確認しましょう。 

工場などで一般的に使用される「動力電源(三相200V)」は、家庭用の単相100Vや一般的な単相200Vとは仕組みが異なります。大きな電力をもつモーターなどを安定して動かすために最適化された電源です。 

  • 対象となる機械:コンプレッサー、工作機械、大型の業務用エアコン、プレス機、揚水ポンプなど 。 
  • 単相との違い:単相が電気を1つの波で送るのに対し、動力(三相)は3つの異なる波を組み合わせて途切れることなく大きなパワーを効率よく供給できます。 
  • 料金の仕組み:九州電力などの電力会社における動力契約(低圧電力)は、「基本料金は高め・電力量料金(使用単価)は安い」という特徴があります 。そのため、稼働時間が長い機械ほど、トータルのランニングコストを抑えやすくなります。 
    ※九州電力の低圧電力の料金目安:基本料金 約1,023円/kW・月、電力量料金 15.71〜17.40円/kWh(最新の料金詳細は電力会社の公式サイトをご確認ください)

機械の導入から実際に電気が通るまでの一般的な工事の流れは以下の通りです 。

STEP

現地調査

専門業者が現場を訪れ、既存の電気容量、分電盤の空き状況、配線ルートを確認します。

STEP

電力会社への申請

契約容量の変更や新規引き込みに伴い、電気事業者(電力会社等)への各種申請手続きを行います。 

STEP

引き込み・幹線工事

必要に応じて電柱からの引き込み線工事や、分電盤までの太い幹線ケーブルの敷設を行います。 

STEP

動力盤・コンセント設置

機械の設置場所まで配線を伸ばし、専用の動力ブレーカーやコンセント、動力盤を設置します。

STEP

接続・試運転

機械と電源を正しく接続し、絶縁測定や動作確認(試運転)を行って引き渡しとなります。

【お見積もり・ご相談の際にお客様にご用意いただきたいもの】
正確かつスピーディーなお見積りのために、「機械の仕様書(定格消費電力・電流値が記載されたもの)」「機械を設置したい場所の図面または写真」「現在の分電盤周辺の写真」をご準備いただくとスムーズです。 

「どれだけの電気容量を契約すべきか」は、機械の安定稼働とランニングコストに直結する重要なポイントです 。 

  • 電流値の目安:三相200Vモーターの場合、電流の目安はおおむね「1kWあたり約4A」となります(例:3.7kWのコンプレッサーであれば電流は約14A) 。
    ただし、機械の始動時には通常の5〜7倍程度の突入電流が流れるため、その余裕を持たせたブレーカー選定が必要です 。 
  • 契約容量の目安: 30A = 約10kW 相当 、50A = 約17kW 相当 、100A = 約35kW 相当
  • 容量ミスのリスク:契約容量が小さすぎると、機械を起動した瞬間にブレーカーが落ちてしまいます 。
    逆に、必要以上に大きすぎる容量で契約してしまうと、毎月ムダな基本料金を支払い続けることになります 。正確な計算とブレーカーの選定には専門的な判断が不可欠です 。 

すでに高圧受電(キュービクル)を導入している大規模な工場や事業所では、低圧の工場とは判断基準が異なります。 

契約変更だけで済むケース

キュービクル全体の受電容量(kVA)に余裕があり、既存のトランス(変圧器)からそのまま分岐できる場合は、申請や軽微な配線変更のみで対応可能です 。 

盤の増強・トランス増設が必要なケース

追加する機械の消費電力が大きく、既存の変圧器の許容値を超える場合は、トランスの増設やキュービクル内・低圧主幹盤の改修が必要になります 。 

弊社では、高圧受変電設備の容量確認からトランスの増設、工場内の配線工事まで一貫して自社で対応可能です 。複雑な高圧設備の改修もお気軽にご相談ください。 

「機械の納品日に電気が使えなかった」というトラブルを防ぐため、スケジュール管理は非常に重要です。

特に電力会社への申請には数週間〜1ヶ月以上の時間がかかるため、機械の納品日の2〜3ヶ月前には動き出す必要があります 。

時期の目安 主なアクション
納品日の
2〜3ヶ月前
機械の仕様決定、電気工事業者に相談・現地調査依頼
納品日の
1.5〜2ヶ月前
お見積り確認、工事発注、電力会社への申請手続き開始
納品日の
3週間〜1ヶ月前
電力会社の審査・外線工事完了待ち、社内工事日の調整
納品日の
1〜2週間前
電気工事の実施(配線・動力盤設置・試運転)
納品日
当日〜数日後
機械の搬入・本接続・本格稼働開始

弊社では、工場の操業を止めないための「休日・夜間工事」にも柔軟に対応しています 。

「急遽機械の導入が決まった」「他社でスケジュールが間に合わないと言われた」といった場合も、
まずはご相談ください。可能な限りスピーディーな工程をご提案いたします 。 

過去に現場で起きた代表的なトラブルと、その防ぎ方をご紹介します 。 

事例1 容量不足によるブレーカー落ち
内容

事前の容量計算を行わずに機械を増やしたところ、他の設備と同時に稼働させた際ひんぱんにブレーカーが落ちるようになった。

対策

導入予定の機械だけでなく、工場全体の同時使用電力を考慮した適切な容量設計を行う。

事例2 電力会社への申請遅れによる稼働遅延
内容

「機械が届けばすぐに使える」と考えており、電力会社への申請を忘れていて、納品されても数週間電気が使えなかった。

対策

納期から逆算し、専門業者を通じて余裕を持ったスケジュールで申請を代行してもらう。

アピコーポレーションの実例
ご相談内容

過去に、他社様で導入したコンプレッサーの突入電流を見落としており、電源を入れた瞬間に工場全体の主幹ブレーカーが落ちてしまうというご相談を受けました。

弊社の対応

弊社にて即座に現地を調査し、専用幹線の太さ変更と適切なブレーカーへの改修を行いました。

✓

現在は問題なく安定稼働しております。

工場の電気工事を依頼する際は、以下のポイントを基準に会社を選ぶことが大切です 。 

  • 豊富な施工実績:工場やプラントの電気設備、動力工事に特化した実績があるか 。 
  • 一貫対応力:事前の容量計算・現地調査から、複雑な電力会社への申請代行、実際の施工・保守まで自社でワンストップ対応できるか 。
  • 現場への配慮:工場の稼働スケジュールに合わせた休日・夜間工事などの柔軟な対応力があるか。 
CASE STUDY

農業機械メーカー様での動力配線工事

1
課題

新規の大型工作機械を導入することになったが、既存の配線では容量が足りず、他社からは「工場のラインを数日間止めなければ工事できない」と言われて困っていた。

2
対応

弊社のプラント電気工事チームが現地を調査。配線ルートを工夫し、工場の操業を一切止めない「休日・夜間作業」のスケジュールを組んで施工を実施。

✓
結果

生産ラインを止めることなく、予定された機械の納品日に完璧に間に合わせることができ、お客様からも高い評価をいただいた。

動力の引き込み工事はどのくらいの期間がかかりますか?

電柱からの引き込みのみであれば約2〜6週間が目安ですが、トランスの増設など外線工事が伴う場合は1ヶ月以上かかることがあります。

繁忙期にはさらに延びるケースもあるため、余裕を持ったご相談をおすすめします。  

機械のカタログだけで概算見積もりはできますか? 

はい、機械の仕様(消費電力や定格電流)が記載されたカタログや仕様書をご提示いただければ、必要な電源容量やおおよその概算費用を算出することが可能です 。

さらに現地調査をさせていただくと、より正確な費用が算出できます。 

使わない月でも動力の基本料金はかかりますか? 

原則として、動力(低圧電力)の契約がある場合は、電気を使用しない月であっても基本料金が発生します。

長期間使用しない場合は、一時休止の手続きなどのご相談も承ります 。

賃貸の工場・倉庫でも動力引き込み工事はできますか?  

可能です。

ただし、建物の所有者(オーナー様や管理会社様)の許可が必要となりますので、事前に工事の承諾を得た上でご相談ください 。  

機械を増やしたらブレーカーが落ちるようになりました。原因は?  

新しく導入した機械の電力消費が契約容量を超えているか、起動時の突入電流にブレーカーが耐えられていない可能性が考えられます。

容量の再計算と適切なブレーカーへの交換が必要です 。

工事中、工場の操業は止める必要がありますか?  

工事の内容や配線ルートによって異なります。

弊社では工場の稼働に影響が出ないよう、休日や夜間での作業スケジュール調整にも柔軟に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。 

大きな機械を導入する際の電気工事は、「どのケースに該当するか」「必要な容量は何か」「いつまでに申請すべきか」を正しく把握することが成功の鍵です 。

機械の納品日が決まる前、あるいは機械を選定する段階でご相談いただくことで、スムーズで無駄のないスケジュールが実現できます 。 

有限会社アピコーポレーションでは、現地調査・お見積もりを承っております。

「機械のカタログだけでも相談したい」「うちの工場で動力が引けるか知りたい」といった段階でも、どうぞお気軽にお問い合わせください 。 

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