
「社用車をEVに切り替えたい」「マンションの駐車場に充電器を付けたい」と考えたとき、最初にぶつかるのが「今の電気設備で本当に足りるのか」という疑問です。
いざ充電器を導入しようとしても、容量不足でブレーカーが落ちたり、想定外の基本料金高騰を招いたりするリスクがあります。
この記事では、以下の3点を中心に詳しく解説します。
- 低圧(キュービクルなし)と高圧(キュービクルあり)別の空き容量の調べ方
- 容量が足りないときの4つの選択肢と判断基準
- キュービクル増設にかかる費用・工期・補助金の活用法
なお、本記事はご自宅の契約アンペア数を調べたい個人向けではなく、工場・事業所・ホテル・商業施設の設備担当者、総務、経営者、マンションの管理組合やオーナー様を対象としています。
受変電設備の容量解析から実際の施工までを一貫して手がける福岡の電気工事会社の視点から、失敗しないための判断基準を分かりやすくお伝えします。
電気工事業 第98211号
福岡の電気インフラを支える実績
対応する総合エンジニアリング力
結論:EV充電器を増やせるかは「受電方式」と「空き容量」で決まる

施設にEV充電器を何台増やせるかは、突き詰めると
①建物が低圧受電か高圧受電かという「受電方式」と
②現在の契約および設備にどれだけ空き容量があるかの2点でほぼ決まります。
計算上の空き容量に充電器の合計出力が収まれば、契約変更や簡単な配線工事だけで対応できます。
一方で容量が収まらない場合は、充電制御システムの導入、別受電の活用、あるいはキュービクルの増設・新設のいずれかを選択する必要があります。
まず自分の建物が「低圧」か「高圧」かを見分ける
まずは自社の建物や施設がどちらの方式で電気を受電しているかを確認しましょう。
敷地内にキュービクル(屋外用の箱型の受変電設備)や専用の電気室があれば「高圧受電」、なければ「低圧受電」となります 。
また、毎月の電気料金の検針票を見ることでも判別できます。
例えば九州電力の場合、従量電灯Cや低圧電力などは「低圧」、業務用電力Aや産業用電力Aなどは「高圧」に分類されます 。
一般的に、低圧は契約電力50kW未満、高圧は原則50kW以上が境目となっています 。
判定チャート:あなたの施設はどのパターン?
EV充電器1台に必要な電気容量の目安

普通充電器は1台あたり3kW(単相200V・15A)または6kW(単相200V・30A)、急速充電器は10kW以上で、特に50kW級が主流となっています 。
設置台数と出力を掛け合わせた「同時充電時の最大電力」を算出軸とし、これを施設の空き容量と比べるのが容量チェックの基本です。
普通充電器(3kW/6kW)と急速充電器(10kW以上)の電源仕様
「台数×出力」で同時充電時の最大電力を出す
充電器を複数導入する場合の計算例を見てみましょう。
- 6kW × 5台 = 30kW
- 6kW × 10台 = 60kW
- 3kW × 10台 = 30kW
- 50kW急速 × 1台 = 50kW
「全台が同時にフル出力で充電する前提」で計算するのが最も安全側の考え方ですが、実際の運用では充電制御システムによって出力を抑えることも可能です 。
「50kWの壁」:低圧のままで置ける上限
契約電力が50kW以上になると高圧受電(キュービクル)が必要となります 。
6kWの充電器であれば、既存の電力負荷が全くゼロであり、全台が同時にフル充電を行い、
さらに契約種別を単純化した場合の目安として「8台前後(合計48kW ≒ 48kVA)」が
低圧で検討できる限界の目安となります 。
しかし、実際の施設では既存の空調や照明などの負荷があるため、実際の空き容量はさらに小さくなります。
契約種別(従量電灯Cや低圧電力など)や、主開閉器契約・負荷設備契約といった契約容量の決め方によっても状況は大きく変わるため注意が必要です 。
また、50kW級の急速充電器は1台置くだけでこの壁に達するため、低圧の施設では別受電の検討や高圧化が前提となります 。
低圧受電(キュービクルなし)の事業所:空き容量の調べ方

低圧受電の施設では、毎月の検針票に記載されている契約種別・契約容量や、分電盤の主幹ブレーカーを確認することで、おおよその空き容量を把握できます。
「契約容量から普段のピーク使用量を差し引いた値」が、充電器に回せる余力の目安となります 。
検針票で契約種別と契約容量を確認する
例えば九州電力の低圧契約の場合、主として電灯やコンセント系で
契約容量6kVA以上50kVA未満の「従量電灯C」や 、一般に三相200Vの動力用として使われる契約電力50kW未満の「低圧電力」があります 。
単相200Vの普通充電器は電灯系統へ、三相200Vの急速充電器は動力系統へとつなぐのが基本ですが、契約種別の最終判断は必ず電力会社に確認する必要があります 。
主開閉器契約の場合、「主幹ブレーカーの定格電流 × 電圧 ÷ 1,000」の計算式でkVAを求めることができます 。
分電盤の主幹ブレーカーと空き回路を見る
分電盤を確認し、主幹ブレーカーの定格(A)、内部の空きスペース、すでに設置されている200V回路の有無を確認します 。
例えば6kWの充電器を1台増設するには、40Aブレーカーの1回路分のスペースと8sq程度の電線が必要になります 。
普段の最大使用量を把握する
スマートメーターの30分値(電力会社のWeb会員サービス等)や、繁忙期の検針票からピーク時のkWを把握します 。
主幹の定格ぎりぎりまで使い切る前提ではなく、一定の余裕を持たせた設計が重要です 。
契約容量を上げる場合の注意点
契約容量を上げる場合、引込線から分電盤に至るまでの「幹線」の張り替えや主幹ブレーカーの交換が必要になるケースがあります 。
また、低圧電力の基本料金は九州電力エリアで1kWあたり1,023.23円/月となっており、容量を増やした分だけ固定費が上がります 。
充電器の合計出力が50kWに近づくような場合は、無理に低圧のままで増やすよりも、後述する充電制御や別受電を活用した方がトータルコストを抑えられる場合があります 。
高圧受電(キュービクルあり)の施設:空き容量の調べ方

高圧受電の施設では、
- 変圧器の容量(kVA)
- 契約電力(デマンド)の実績
- 低圧側の主幹・盤の空き
の3つを確認することで、何台まで充電器を増やせるかの大まかな目安を出すことができます 。
キュービクルの銘板と直近1年の検針票があれば、専門家に相談する前に概算値を把握することが可能です 。
変圧器の銘板で容量(kVA)を確認する
キュービクル内にある変圧器の銘板に記載された「定格容量○○kVA」を、単相(電灯用)と三相(動力用)のそれぞれについて確認します 。
普通充電器は電灯用の変圧器から、急速充電器は動力用の変圧器から電源を取るのが基本となるため 、「どちらの変圧器にどれだけ余裕があるか」によって設置できる充電器の種類や台数が変わってきます 。
なお、キュービクルの扉を開けての確認は危険が伴うため、必ず電気主任技術者や有資格者の立ち会いのもとで行う必要があります 。
契約電力とデマンド実績を確認する
高圧(契約電力500kW未満)の場合、
原則として「その月と前11か月の最大需要電力(30分ごとの需要電力の平均値の最大値)のうち、いずれか大きい方の値」によって契約電力が決定されます(九州電力 標準供給条件に基づく) 。
検針票から直近12か月分の最大需要電力の推移を並べ、最大値と変圧器容量の差を確認します 。
よくあるご相談として、「変圧器の銘板容量が250kVAあるからといって、そのまま契約電力を大幅に上げられるわけではないか」という疑問がありますが、変圧器容量(kVA)と契約電力(kW)は性質の異なる別々の数値です 。
なお、新規高圧受電の直後や、受電設備を増減させた場合は一時的に契約電力の決め方が異なる例外規定もあります 。
低圧側の主幹ブレーカー・盤・幹線の空きを見る
変圧器自体の容量に余裕があっても、低圧の主幹盤に空きがない場合や、駐車場までの電線(幹線)が細い場合には追加の工事が必要となります 。
施設の「単線結線図」がお手元にあると、電気工事会社での検討が非常にスムーズになります(多くの場合、保安管理を委託している電気主任技術者や保安法人が保管しています) 。
計算例:ホテルの駐車場に6kW充電器を8台置きたい場合
変圧器全体の余裕(約70kVA)には収まるものの、全台が同時にフル充電を行うと施設全体の契約電力が90kWから約138kWへと跳ね上がり、基本料金の高騰につながります 。
そのため、「変圧器自体の増設は不要だが、充電制御を導入して契約電力の上昇を抑える」という判断が最適解になります 。
※なお、上記の90kW(kW)と80kVA(kVA)はそれぞれ異なる計測地点・単位の数値です 。
単相3線の相バランスなども含めて現地での詳細な確認が不可欠であり、充電器の増設にあたっては電力会社に届け出ている「契約負荷設備」の変更手続き(申し出)が必要となります 。
自分で確認できる範囲と、現地調査で測ること
ご自身であらかじめ確認・準備できるのは、銘板の写真、直近12か月分の検針票、単線結線図の有無、駐車場の平面図などです 。
一方で、電気工事会社による現地調査では、変圧器の実負荷測定、低圧主幹の電流測定、幹線の太さと配線経路、分電盤の空き状況、接地や漏電ブレーカーの状態、駐車場までのルートなどを総合的に調査・測定します 。
容量が「足りる」だけでは不十分:デマンド(基本料金)への影響

変圧器の容量に一見余裕があるように見えても、
複数のEV充電器が同時に充電を開始したことで30分間の平均電力が跳ね上がると、
その高い数値が最長1年間「契約電力」として残り、毎月の基本料金が高いまま固定されてしまいます 。
したがって、充電器の増設は「単に電気容量が足りるか」だけでなく、「デマンド値を押し上げないか」という視点とセットで考える必要があります 。
デマンド値の仕組み:30分の平均電力が1年間の基本料金を決める
高圧受電の契約電力は、30分ごとの平均電力の最大値(最大需要電力)をもとに、当月と前11か月のうち最も高い値で決定されます 。
「昼休みに社用車が一斉に充電を始める」「イベント開催日に来客用の充電器が同時に稼働する」といった状況で、たった一度でも高いデマンド値を記録してしまうと、
その後1年間にわたって基本料金の負担が増え続けることになります 。
基本料金がいくら上がるかの試算
※九州電力の業務用電力A(基本料金2,142.78円/kW・月、2026年6月時点)をベースに、力率割引や燃料費調整等を除いた単純計算です 。
他社の導入事例では「6kW充電器13台の同時充電で約80kWのデマンド増につながった」というケースもあります 。
「大掛かりな制御システムの導入費用を惜しんで、無対策のままデマンドを跳ね上げてしまった結果、かえって高いランニングコストを払い続けることになった」という事態を避けることが重要です 。
※なお、九州電力では2026年11月1日から託送料金の見直しを料金に反映する予定となっているため 、実際の検討時には最新の単価表を再確認する必要があります 。
対策:充電時間の分散と充電制御
デマンドの上昇を防ぐためには、夜間などの電力需要が低い時間帯に充電を集中させるタイムスケジュール管理や、複数台の出力を自動で調整する充電制御(EMS)の導入が非常に有効です 。
容量が足りないときの4つの選択肢と判断基準

施設の電気容量が足りない場合の対処法としては、主に下記4つの選択肢があります。
- 契約容量の変更
- 充電制御(EMS)の導入
- 別受電(充電設備専用の引き込み)の活用
- キュービクルの増設・新設
「不足している容量が小さいか大きいか」「急速充電器を設置したいか」「将来的な台数増加を見込むか」の3点が重要な判断の軸となります 。
比較表:4つの選択肢の向き不向き・費用感・工期・設置後の負担
契約容量の変更で済むケース
低圧受電において不足している容量が小さく、全体を合わせても50kW未満に収まる場合は、契約容量の変更と小規模なブレーカー・配線工事で対応可能です 。
充電制御(EMS)で台数を増やすケース
充電制御には、充電開始・停止の時間を指定する「時間制御」と、流す電流を動的に絞る「出力制御」の2種類があります 。
例えば、6kWの充電器10台(合計60kW)の出力を70%(4.2kW)に制御することで、全体の合計出力を42kWに抑えることができます 。
また、九州エリアでは九電テクノシステムズ製の「複数台EV充電システム」のように、目標電力を超えないよう各充電器の出力を自動制御し、デマンドコントロール装置とも連携できるプライベートモデル(最大30台対応)などのローカルなシステムも活用できます 。
大掛かりな受電設備の増強工事を行わずに台数を増やしたい場合に最適な選択肢です 。
別受電(特例需要場所)で新たに引き込むケース
原則として「1需要場所につき1引き込み」というルールがありますが、EV充電設備については同一敷地内であっても別の需給契約・別の引き込みを行うことが例外的に認められています 。
この制度は2012年に急速充電器を対象として始まり 、2021年4月の電気事業法施行規則の改正によって普通充電器などにも対象が大きく広がりました 。
既存のキュービクルに全く余裕がない場合や、マンション等で居住者ごとの電気代を明確に分けて課金管理したい場合、あるいは急速充電器を新たに1〜2台導入したい場合に適しています 。
費用の一例として、横浜市のマンション(160戸)における事例では、共用部分の分電盤から160m離れた場所まで配線した場合に約220万円、近くの電柱から新規に引き込んだ場合に約86万円といった実績があります 。
注意点として、工事費負担金は全額申込者負担となり 、申し込みの際には「特例区域等の適用に関する確認書」などの書類提出が必要です 。
適用可否の最終的な判断は電力会社が行うため 、九州電力送配電に対する各種手続きや様式の確認は、電気工事会社を通じて行うのが確実です 。
キュービクルの増設・新設が必要になるケース
「合計50kW以上の大電力を恒常的に使用する」「将来的に導入する台数が非常に多い」「複数の急速充電器を並行して設置する」といった場合は、キュービクルの増設や新設を本格的に検討するステージとなります 。
キュービクル増設・新設の判断基準と費用・工期

キュービクルに関する工事は、大きく分けて「既存のキュービクル筐体内の変圧器を増設・大型化する」方法と、「EV充電設備専用のキュービクルを新たに新設する」方法の2つに分かれます 。
前者の場合は数十万〜数百万円、後者の場合は本体と工事を合わせて300万〜600万円程度が費用の目安となります 。
また、受注生産となる機器の納期や電力会社への申請期間を含め、全体で2〜4か月程度の期間を見込んでおく必要があります 。
変圧器の増設・交換で済むケース / 新設が必要なケース
既存のキュービクル内に変圧器を追加するための物理的なスペースがあり、元々の受電容量や遮断器に余裕がある場合は「変圧器の増設・交換および低圧側の盤改造」で対応可能です 。
一方で、筐体内にスペースがない場合や、受電容量自体が根本的に不足している場合、あるいは複数の急速充電器をまとめて設置するような場合には「EV充電用キュービクルの新設」が必要となります 。
費用の目安(本体・工事・付帯)
費用が大きく変動する要因としては、設置場所が屋外か屋上か、クレーン等の重機が必要な搬入経路か、基礎工事の規模、道路使用許可の取得有無、既存設備の撤去費などが挙げられます 。
また、変圧器の増設や大型化を行うと「契約受電設備の増加」に該当するため、増設日以降の契約電力の決定ルールが一時的に変更されることになり、九州電力との事前の協議が必要となります 。
工期と電力会社への申請
キュービクル本体は受注生産品が多いため、機器の納期だけで8〜16週間程度かかるケースがあります 。
九州電力送配電への申請手続き等も含めると、トータルで2〜4か月程度はかかります 。
ただし、現地での据付や配線工事そのものは数日で完了することがほとんどです 。
「EVの納車予定日や、補助金の実績報告期限に間に合わせる」ためには、逆算して少なくとも4〜5か月前には専門業者へ相談を開始することが重要です 。
高圧受電になると増えるランニングコスト(保安管理)
高圧受電設備は「自家用電気工作物」に該当するため 、
電気主任技術者の選任、あるいは保安法人・電気管理技術者への外部委託(保安規定に基づく外部委託承認)を行い、月次点検および年次点検を実施することが法律で義務付けられています 。
なお、低圧受電で他に自家発電設備等を持たない場合、原則として電気主任技術者による外部監督は不要とされています 。
福岡エリアの保安法人の公表料金を参考にすると、外部委託における月次点検の費用目安は以下のようになります 。
- 設備容量 〜44kVA:月額 7,000円〜
- 設備容量 100〜124kVA:月額 11,000円〜
- 設備容量 200〜249kVA:月額 15,000円〜
※上記はあくまで保安管理委託の点検料(月額)であり、突発的な修繕や部品交換にかかるメンテナンス費用は別途となります 。
また、年次点検時には施設全体の計画停電が必要になる点にも留意が必要です 。
「高圧化は初期の導入費用だけでなく、こうした毎月の固定費(保安管理費)も含めて、別受電や充電制御のプランと比較検討することが不可欠」です 。
キュービクル・受電設備の工事に使える補助金

国の充電インフラ補助金(令和7年度補正予算を活用し2026年度に執行されるスキーム)では、
充電器本体だけでなく、高圧受電設備の設置にかかる工事費も補助対象となっており、
受電設備工事費の補助率は1/1(上限300万〜900万円)手厚く設定されています 。
また、福岡市の独自補助金(上限100万円)についても、国の補助金を差し引いた残額に対して併用することが可能です 。
国の補助金:高圧受電設備・設置工事費は補助率1/1(上限あり)
※なお、別受電(特別措置に基づく受電工事費)についても補助項目が用意されており、急速で最大95万円、普通で最大30万円の上限が設定されています 。
また、普通充電器(6kW以上・ケーブル付き)については、機器本体が補助率1/2(上限35万円)、工事費が補助率1/1で、既築分譲マンションの場合は上限95万円、その他の施設では上限135万円となっています 。
執行団体は「一般社団法人次世代自動車振興センター」であり、戸建て以外の受付は第1期(5月頃)および第2期(7月頃)に分かれて実施されます 。
注意点として、上記の補助上限額は総額に対するものであり、機器の機能や具体的な工事内容ごとに個別の細かな上限が設定されているため、表の額面通りの全額がそのまま支給されるわけではありません 。
また、高圧受電設備の上限表は総出力50kW以上からとなっているため、普通充電器のみで合計50kW未満の計画とする場合は対象外となる可能性があります 。
実際の申請にあたっては、最新の公募要領を必ず確認してください 。
福岡市の補助金(令和8年度)
福岡市が実施する「次世代自動車の普及に向けた支援事業(充電設備)」では、対象となる事業者や分譲マンションの管理組合等を対象に、補助金が交付されます 。
補助額の算出方法は「(設備本体価格 + 設置工事費 − 国等からの補助金)× 1/2」となっており、上限額は急速充電設備が100万円(定格出力30kW以上)、普通充電設備等が100万円(1基あたり20万円)です 。
受付期間は令和8年5月7日から令和9年2月1日まで(予算上限に達し次第終了)となっています 。
必ず工事開始の30日前までに申請を行い、福岡市からの「補助対象決定通知書」を受領してから着工する必要があります 。
なお、受変電設備の扱いについては要綱内に明示されていない部分もあるため、事前に市へ確認をとるのが確実です 。
補助金を使うなら工事の順番に注意
国の補助金では「交付決定前」、福岡市では「補助対象決定通知書の受領前」に工事を着工してしまうと、いかなる理由であっても補助金の対象外となってしまいます 。
キュービクル等の関連工事は機器の納期が長期化しやすいため、申請時期から逆算した綿密なスケジュール管理が求められます 。
現地調査で電気工事会社が確認すること・準備しておく書類

受変電容量解析(現地調査)では、
変圧器の実負荷、低圧主幹の電流値、幹線の太さと配線経路、分電盤の空き、駐車場までの配線ルートなどをプロの目で厳密に測定・確認し、
「今の設備で何台の充電器を置けるのか」「どの選択肢を選ぶのが最もコストパフォーマンスが高いのか」を具体的な数字として導き出します 。
事前に以下の書類やデータをご用意いただけますと、調査からご提案までのプロセスが非常にスムーズになります 。
準備していただきたいもの
- 直近12か月分の電気検針票(最大需要電力の記載があるもの)
- キュービクルや分電盤の内部・銘板が写る写真
- 単線結線図および電気設備図面
- 駐車場の平面図と充電器の設置希望位置
- 保安管理を委託している電気主任技術者や保安法人の連絡先
- 導入予定のEV台数と将来的な増設プラン
調査から工事完了までの流れ
お問い合わせ・ヒアリング
現地調査・受変電容量解析
最適な選択肢の比較提案(契約変更・充電制御・別受電・増設プランの提示)
お見積りのご提示
補助金申請サポート
電力会社への各種申請手続き
施工・据付工事
検査・お引き渡し・アフターフォロー
アピコーポレーションでは、受変電容量解析から将来の増設を見据えた配線計画、最適なEMS(充電制御)の提案までを一気通貫でサポートいたします 。
EV充電器の電気容量に関するよくある質問

今の契約電力で6kWの充電器は何台まで増やせますか?
「(契約容量 − 普段のピーク使用量)÷ 6kW」が大まかな目安となります 。
全台同時充電を前提とした安全側の計算ですが、充電制御システムを導入することでより多くの台数を設置することが可能です 。
正確な許容台数は現地での容量解析により判定いたします 。
検針票のどこを見れば低圧か高圧か分かりますか?
「契約種別」の欄をご確認ください 。
従量電灯Cや低圧電力であれば低圧、業務用電力Aや産業用電力Aであれば高圧となります(九州電力の場合) 。
また、敷地内にキュービクルが設置されているかどうかも重要な判断基準です 。
キュービクルの銘板に「250kVA」とあります。契約電力の上限も250kWですか?
kVAは変圧器が処理できる容量であり、契約電力のkWは実際の30分最大需要電力(デマンド)で決まる別々の数値です 。
変圧器の容量に余裕があっても、デマンド値が上がれば基本料金は高くなります 。
工場の三相200V(動力)からEV充電器の電気を取れますか?
三相200Vの急速充電器は動力系統から取るのが基本です 。
一方、単相200Vの普通充電器は電灯系統につなぐのが一般的であり、契約種別の正式な扱いについては電力会社への確認が必要となります 。
急速充電器を1台置きたいのですが、キュービクルは必須ですか?
50kW級の急速充電器は契約電力が50kW以上になるため高圧受電が基本となります 。
既存のキュービクルに余裕があれば増設で対応できますが、余裕がない場合は別受電の活用や新設を検討することになります 。
充電制御(EMS)を入れればキュービクルの増設は不要になりますか?
同時充電時の合計出力を現在の契約電力の範囲内にしっかりと収めることができるのであれば、キュービクルの増設が不要になるケースが多くあります 。
ただし、すべての充電器を常にフル出力で充電したいという運用には不向きです 。
マンションで居住者ごとに電気代を分けたい場合、どの方法が向いていますか?
共用部の電気系統から分岐する方法と、充電設備専用に別受電を引き込む方法があります 。
別受電を活用すれば、マンション共用部の電気使用量と完全に分離できるため、個別の課金管理や運用が非常にしやすくなります 。
キュービクルの増設にはどのくらいの期間がかかりますか?
受注生産となる機器の納期や、電力会社への各種申請手続きを含めると、おおよそ2〜4か月程度が目安となります 。
補助金を活用する場合は、交付決定前に着工することができないため、さらに余裕を持ったスケジュール設定が必要です 。
まとめ|「増やせるか」は現地調査で数字にできます

EV充電器を今の電気設備に何台増やせるかは、以下の3つのポイントにかかっています。
- 建物が低圧受電か高圧受電かによって、必要な調べ方やアプローチが異なること
- 単に電気容量が足りるかだけでなく、デマンド値(基本料金)への影響をセットで評価すること
- 容量が足りない場合でも、「契約変更」「充電制御」「別受電」「キュービクル増設」の4つの選択肢から最適な方法を比較検討できること
「正確に何台増やせるか分からない」「EVの納車日や社用車導入の計画が迫っている」という段階でも、ぜひお気軽にご相談ください 。
アピコーポレーションでは現地調査・お見積りを無料で承っております 。
直近の電気検針票や分電盤の写真だけでも大まかな概算をお出しすることが可能ですので 、まずはお気軽にお問い合わせください 。
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